僕は出会う
君はどこかに

* * *

それは夢の中にいるような
天真爛漫な少女でした
嬉しいときにないて
悲しいときにないて
いつだってないてるようだけれど
みんなの気持ちを拾いたくて
でも子どもだから
拾いきれずにないてしまう
少女というには幼すぎるほどの
…否
幼すぎるゆえの少女でした
本物なのだと
彼は思った
その子と過ごす数日の内に
彼はそう思ったのだそうです


そっか
私はその言葉を聞いてため息をつきました

それは失恋の悲しみではない筈です
私の恋の相手は思いは届かないけれども
声だけは届けてくれる
近いのに心は遠くて
そして本当に遠くにいるあの人の筈
もちろんいつだったか
気の迷いで
本当にただの戯れで
あの人とお別れをしようと決意したときに
思い浮かべたのは彼のことでしたが
それも昔のお話ですから
私は恋を失ったりはしなかった

そう ね
私が失ったのは自信なのでしょう

素直なだけの
打たれたら沈んでしまうような杭に
私は負けているのだろうかと
そう思ったのです
だって彼だけじゃないから
男の子も女の子もみんな
少女に夢中だから
私を愛してくれる人なんて
私を必死に育ててくれた家族だけで
…それは十分なのかもしれないけれど
それでも
少女には負けているんだなと
そう思うと悲しかったのです
悲しいのです

せめてあの人から愛されていたならな
私は言葉を呑み込んで
少女と彼を眺めます
少女はきっと彼を見ていない
彼は少女だけを見ていて
私は二人を見て
どこか遠くに思いを馳せる

* * *

どこかで僕は
君に出会う

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後書き  (作:風名 2013.05.11 up:05.11 )

図書館にそっとまぎれた落書き

自分の恋がうまくいってないと
まわりの恋をみて
ちょっと嫉妬
)^o^(あれま!


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